甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る
画面を閉じた。

ソファが軋み、タバコの甘い残り香と一緒に隣にコーヒーを持った高山チーフの距離の近さにドキドキさせられる。

「終わったか?」

「はい。あの、そろそろ私、帰ろうと思うんですけど」

「そのへっぴり腰でか?やっとこで歩いてるのに大丈夫か?」

「誰がこうしたんですか?もうやだって言ってるのに、しつこい高山チーフのせいですよ」

高山チーフの揶揄いに猛抗議だ。

「あはは、怒るなよ。限界まで我慢してたからな、歯止めきかなかったんだよ。可愛いお前も悪い」

最後の言葉を耳に吹きかけるように、艶めかしい声で囁かれると、ブルリと肌が泡立つ。

それを見て、口角を上げる表情が憎たらしい。

「高山チーフなんて、嫌いです」

なぜか、彼の纏う空気が一変する。

「嫌い?この悪い口にお仕置きが必要だな」

「えっ」

顔を両手で挟まれて、唇が塞がれる。

コーヒーの苦味とタバコの香りが、強引に唇を割って入ってきて、口内を可愛がる舌技は巧みで、だらしなく口は開いていた。

「蕩けやがって、可愛いやつ」

そういうなり、ソファに押し倒され、またキスが再開され、唇を何度も喰まれたり、舌先を絡めて擦りあわせ、知らぬ間に口がだらしなく開く。
< 45 / 145 >

この作品をシェア

pagetop