甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る
届くところにほしい女が泣きそうでいるに、警戒されているせいで、上司の顔をして励ますしかできないもどかしさ。
警戒するくせに、時たま、無意識に誘惑する仕草に、欲情にかられ、何度、夢の中で彼女を抱いただろう…
この2年、よく耐えたと自分を褒めてやりたいぐらいだ。
あの日、俺は限界だった…
主催者側のいけすかない男。
上司の顔色を伺い、彼女の案を検討どころかしない。
女だからとみくびられることはよくあることで、朱音さんなどは、強気で攻めれるが、彼女は弱腰になる。
男に強く出れない、そうなってしまう理由は、男になんらかの恐怖があるせいだろうと朱音さんは言っていたが、俺的には、そんな理由ではない、根深いものだと思っている。
兎に角、その男のせいで俺の愛しい女が悲しんでいるのだから、手を差し伸べ、助けるべく一緒に乗り込んだ。
まぁ、予想通り、向こうは上司が出張ってきて難癖をつける。
だが、向こうの案は駄作でしかない。
失敗するイベントだとわかっていて、やるなどバカのすることだ。
上司を丸め込むことに成功したはいい。こちらの案を頷かせる目論見もできた。
それはいいが、あの若林という男は気に入らない。