宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
「そのイヤリング、よくお似合いですね」
お気に入りのダイヤモンドのイヤリングに付け替えてよかったな、と思った。
「一目惚れだったんです」
「……!」
急に彼は頬を赤らめたかと思うと、私から目を逸らした。何だかよくわからなかったけど、恐らく酔っているのだろうと思った。
私もだいぶ酔いが回ってきているなと自覚していたから。
「……あの」
「はい?」
「あなたのこの後のご予定は何ですか?」
「えっ」
「あなたさえ良ければ、もっと一緒にいたいと思っているのですが」
「……」
私は二十五年間彼氏がいたことはない。
別に男性と全く縁遠かったわけではないけど、どうしても碧以上に好きになれると思える人がいなくて、独り身を貫いてしまった。
だからといって色恋に疎いというわけではない。
彼の瞳にほんの少し、下心が見え隠れしていることに気づいていた。
いつもの私なら絶対に断っていた。初対面の男性となんて、あり得ない。
なのにこの時、ありかもしれないなんて思ってしまったのは、飲み慣れないカクテルに酔っていたからなのか、はたまた彼自身に酔わされていたからなのか。
「あなたこそ、この後の予定はないんですか?」
それとも、十年もの片想いに蹴りを付けるいい機会かもしれないと思ったからなのか。