宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
そして帰宅したのだが、どうにも落ち着かずに休みを午後からにして午前中は出勤することにしたというわけだった。
仕事をしていた方が気が紛れる。何もしていなかったら思い出してしまう。
あの人の息遣いを――。
「……っ、やっぱりダメだ!仕事に集中しよう!」
ものすごい速さでキーボードを叩く。
あんなのは一夜の過ちだ。多分あの人とはもう二度と会うことはない。
二十五年も守り通した純潔をあっさり捨ててしまったが、二十五歳で処女というのも如何なものかと思ってはいたし……だからといって初対面の人とあんなことになってしまったのは、私の失態だけれど。
「おーい、白金ちょっといいか?」
「あ、はい」
急に部長に呼ばれた。
部長に直接呼ばれることなんてなかなかない。クレームかミスがあったのではないかと急に不安になってしまう。
私の顔色を察してか、部長は穏やかに言った。
「そんなに構えないでくれよ。悪い話ではないんだ。君にとっては良い話ではないかもしれないけど」
「どういうことですか?」
「辞令が出た。白金にはホテルベリが丘のブライダル部門に行って欲しいんだ」
「えっ!?」