宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
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結瑠と初めて出会ったあの運命の日、その日はとても疲れ切っていた。
兄が経営するホテルベリが丘で伯父の会社が主催するレセプションパーティーがあり、俺も呼ばれて出席したのだが、参加したことを酷く後悔した。
「この子、私の甥の宝です。こちらは海運会社社長のご令嬢よ」
伯母はやたらと俺を連れ回し、色んな女性に紹介した。どの女性も社長令嬢とか女社長とかばかり。
伯母が俺に見合いをさせようとしているのは明らかだ。
伯母は悪い人ではないのだが、古いタイプの女性で結婚して家庭に入ることが女の幸せ、男は良き妻をもらって支えてもらうべきだという考えだった。
だから二十九にもなって結婚どころか、相手もいない甥っ子の世話を焼こうとした。
俺にとっては全く迷惑な話なのだが。
この日まで俺は誰とも結婚する気などなかった。
はっきり言って、俺は恋愛に向いていない。
学生時代から何故か言い寄られることはあり、何人か付き合ってみても長続きはしない。
そしてどの女性も別れる前は、必ず同じことを言ってから立ち去る。
「宝って私のこと好きじゃなかったよね」
そもそも俺には人を好きになるということがよくわからない。
俺のことを好きだという彼女たちの気持ちが理解できない。