宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜


 隣に座った結瑠は俺が飲んでいたギムレットを頼み、乾杯した。


「……ギムレットだと、あっという間に終わってしまいますね」

「え?」

「ギムレットはショートカクテルですから。あなたとの時間はあっという間に終わってしまいます」

「長い方がいいということですか?」

「どうでしょう?」


 何だか独特な会話にも興味を惹かれた。
 彼女は他の女性とは違う何かを持っている。直感でそう感じた。

 それからシンガポールスリングを飲みながら小一時間程話をした。
 会話は途切れることなく続いた。

 彼女はミステリアスでセクシーな魅力を持ちながら、笑うと子猫のように無邪気で愛らしい。
 会話のテンポは心地よく、言葉の端々から頭の回転の速さ、賢さが窺える。


「そのイヤリング、よくお似合いですね」


 そう褒めると彼女は少しイヤリングに触れ、頬を染めて微笑んだ。


「一目惚れだったんです」

「……!」


 その言葉に心を揺さぶられた。

 違うのにまるで自分に向けられたような錯覚をし、心臓が大きく脈打つ。
 初めてデザインしたイヤリングが彼女の心に響いていたことが、震える程嬉しかった。

 完全に彼女に心を奪われていた。


「……あの」

「はい?」

「あなたのこの後のご予定は何ですか?」

「えっ」

「あなたさえ良ければ、もっと一緒にいたいと思っているのですが」


< 60 / 167 >

この作品をシェア

pagetop