私が一番近かったのに…
副店長に関しては、私が関わりを持つ持たないの以前に、誰に対しても一線を置いている感じだ。
全員のイメージが冷たくて、無愛想…といった印象だ。
話しかけられれば怖いと思い、ビクビク怯え、何か怒られるのではないかと身構えてしまう。
私も最初はそうだった。勤務中は笑顔で物腰が柔らかいのに対して、裏で話す時は無愛想で。あまりの対応の差に最初は驚いた。
そんな時、愁が、『あの人はああいう人だから』と教えてくれた。
それから、私はそう思うようになり、特に気にすることはなく、普通に過ごしてきた。
ずっと誰とも関わらない、孤高の存在だと思っていた。
まさか私に助言してくれるなんて…。しかも私の気持ちまでバレていたなんて…ね。

「そうだね。心の奥底に優しさを秘めている人だね」

「そうだな。慈悲深い人だ」

私のことを応援してくれているみたいだ。半分以上は惚気話ではあったが…。
副店長から見て、私は愁とお似合いということだろうか。ガキくさいと少しバカにされたが。
副店長のような、優しい人もいる。先輩のような、どうしようもない大人もいる。副店長のような、優しさに満ち溢れた人がたくさんいるといいなと思う。
私も愁も今日はたくさん助けられた。この恩は忘れない。いつかお礼が言えたらいいな…。

「うん。人は見かけによらないね」

「そうだな」

誰かに応援されている。そう思うだけで、気持ちがすーっと軽くなった。
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