私が一番近かったのに…
「それじゃ、よろしくお願いします」

「おう。任せろ。優しく洗ってやるから」

ボディソープをスポンジに付け、泡立たせる。
充分に泡立つと、私の身体をその泡で洗い始めた。

「肌がスベスベで、綺麗だよな」

じっくりと観察されてしまい、頬が急に赤く上昇していく。
その姿が鏡に映し出され、私は顔を赤くし、下を向く。

「そうかな?乾燥しやすいから、お手入れが大変なの」

ボディクリームは必須。お風呂上がりにすぐ塗らないと、お肌がモチモチ肌にならない。
特に冬場は乾燥しやすいので、私のような乾燥しやすい人にとって、冬場は天敵である。
今日はいつも以上に念入りに、手入れを行わなくては。
ついでにマッサージも。むくみも気になるからである。
女性って、本当にお手入れが大変な生き物で。できることなら、悩みのないお肌に生まれたかった。

「そうだったんだ。今日は俺がやってもいい?幸奈のお手入れを」

思わぬ出来事が発生。どうしよう。これはお言葉に甘えて、やってもらうべき?
いくらなんでも好きな人だし、自分の素を見せることに、少し抵抗がある。
すっぴんでさえも恥ずかしいというのに。いつも綺麗な状態を見せていたい。
でももし、愁が喜ぶのであれば、見せてもいいかも…なんて思い始めているのは、感覚が麻痺しているせいかもしれない。

「私としてはですよ、すっぴんを見せることと同じくらい、恥ずかしいんですよ。
愁はその、私の本当の素肌を知っても、嫌いにならないでいてくれる?」
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