私が一番近かったのに…
「ありがとう。愁、洗い方上手だね」

「そうかな?俺としては、こうして幸奈に触れることができて幸せ」

ただ一緒にお風呂に入って、身体を洗ってもらっているだけで、私も幸せを感じた。
まさか、愁も同じ気持ちだったなんて、思わなかった。
同じ気持ちだと知り、嬉しかった。私も早く愁に触れたいと思った。

「幸奈、そろそろ洗ってもらってもいいか?」

そうだ…。次は私が愁を洗ってあげる番だ。
愁みたいに優しく洗えるかな?自分以外の身体を洗うのは初めてのことなので、とても緊張している。

「いいよ。やる」

スポンジにボディソープを付けて、泡立たせる。
泡立てやすいタイプのスポンジなため、少量でもそれなりに泡が作れた。

「どこから洗ってほしいとか、何か要望はある?」

まずは要望を聞いてみた。どんなことをしてほしいのか知りたい。愁にも同じようにリラックスしてほしいから。

「背中からお願いします」

背中を洗うために、まずは愁の後ろに回ってバスチェアを置いて座り、泡の付いたスポンジで優しく丁寧に背中を洗っていく。

「力加減は大丈夫ですか?」

強すぎると痛いので、なるべく力は抑えて優しくそっと撫でるように洗った。

「全然大丈夫だ。寧ろ気持ちいいくらいだ」

肩揉みされている、親のような顔をしていた。
どうやらこの洗い方は、本当に気持ちいいみたいだ。

「それならよかった。次はどこがいい?」

「そうだな。次は…」

ゆっくりと丁寧に愁の身体を洗った。
洗い終えたので、シャワーで泡を流した。
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