天才パイロットは契約妻を溺愛包囲して甘く満たす
言い返したいのに、ぐっと言葉に詰まる。
会いたいと思った時に両親に会える環境は、確かにふたりより恵まれている。
彼らの抱える悲しみを本当の意味で理解することは、どんなに頑張ってもきっとできない。
だけど……同じ立場の者同士でなければ愛し合えないなんて道理はないはず。
私は自分を奮い立たせ、ノアさんに向けて口を開いた。
「ノアさんがどう思おうと、私が嵐さんに抱いている想いは真剣です。他人に浮ついた感情だと言われる筋合いはありません。もちろん、彼の仕事を邪魔するつもりもない」
「ふーん、そう。思ったよりも打たれ強いのね。じゃあ、私と嵐が近々フライトをともにしても、痛くも痒くもないわよね。確か、バレンタインの日よ。大阪にステイするの」
「えっ……?」
いつかはそんな日が来るとわかっていたが、面と向かって宣言されると身構えてしまう。
しかも、私とはうまく休みが合わなかったバレンタインをノアさんと一緒に……。