天才パイロットは契約妻を溺愛包囲して甘く満たす

「それにしてもあのイケメンパイロット……露木さんだっけ? 紗弓のこと咄嗟に助けたにもかかわらず、なにも言わずに去っていくなんてスマートで惚れるわ~」
「でも、迷惑かけちゃって申し訳なさすぎるよ。私のせいで露木さんまでひどいこと言われちゃったし」
「あぁ、三流パイロットってやつ? よりによってアルコールチェックに引っかかって乗務停止になった人に言われたくないよね。露木さんもきっと気にしてないよ」
「……だといいけど」

 不安は拭えないものの、夏希に話を聞いてもらって少し心が軽くなった。

 露木さんには今度改めて、心からの謝罪と感謝を伝えよう。


 中番勤務だったその日は、夜七時に仕事を終えた。

 ラウンジの営業時間は午前七時から午後十一時までと長いため、朝早くから夕方までの早番と、午後から営業終了までの遅番、そしてその中間となる中番の三交代制で仕事を回している。

 遅番への引継ぎを終えたら更衣室で制服から私服に着替え、あとは帰るだけ。

 夏希と一緒に更衣室を出たが私は寄りたい場所があったため途中で別れ、通用口から一般のターミナルへと移動する。

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