天才パイロットは契約妻を溺愛包囲して甘く満たす

「皆さん仲がいいんですね」
「そうなのー。ブルーバードのアダルトチーム。まだまだ、若い者には負けないわよ」
「杏里さんは、酸いも甘いも噛み分けたバツイチですしね」
「ちょっと真路くん。さっきから人のプライベート暴露しすぎ」
「しかも、離婚した元整備士の旦那さんと最近復縁したっていうミラクル付き」

 真路さんがからかいの眼差しを向けると、杏里さんが照れたように口ごもる。

 一度離婚した相手ともう一度結ばれるなんて、ドラマみたいだ。

「ま、あんな変な人の奥さんをやれるのは私だけだからね。そういうこの人の奥様は、グラハンスタッフなのよ。ええと、ジュン……ジュンコちゃんだっけ?」
潤奈(じゅんな)ですよ。人の妻の名前を間違えないでください」

 ふたりの会話がいちいちおかしくて、笑わされてしまう。

 父は会話に加わらないものの、いつもの厳しい顔を緩めて穏やかな顔をしている。

 それが珍しい光景なので思わず母にこそっと耳打ちする。

「お父さん、なんか楽しそうだね」
「杏里さんも真路さんも、お父さんを怖がらず普通に接してくれる貴重な存在らしいわ。うちに招いたのは初めてなんだけど、時々三人でお酒を飲んだりしているみたい」

 父にここまで親しい同僚がいると知って、母も微笑ましそうである。

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