病弱な妹に全てを搾取されてきた令嬢はもう何も奪わせない
メイメイがヴァンに抱きしめられた時に崩れてしまった髪飾りや化粧を直していく。
その手捌きは今まで見てきたどんな侍女よりも素早く的確だ。

メイメイが口紅を塗り終わる頃に、ヴァンが「あとは頼んだ」と言って馬車に戻ってくる。
メイメイは化粧道具を片付けてヴァンと入れ替わるようにして馬車から出た。

そして何事もなかったかのようにすぐに馬車が出発する。
コレットはヴァンに聞きたいことがあったが口をつぐんだ。
今はそうすべきタイミングではないとなんとなくそう思ったからだ。

(屋敷に帰ったら何があったのかちゃんと話してもらいましょう。それに夫婦になるのだか隠し事はしないでって言わないと……!)

ヴァンはコレットの表情を見て何かを感じたのだろう。


「このパーティーですべての決着が着くでしょう。そうしたらコレットに隠し事はなしですから」

「決着……?」


ヴァンはそう言ってコレットの手を握る。


「今はコレットにパーティーを心から楽しんでほしいと思っています。ですが……それを阻むように間違いなく邪魔が入るでしょう」

「……!」
< 199 / 234 >

この作品をシェア

pagetop