病弱な妹に全てを搾取されてきた令嬢はもう何も奪わせない
「…………いらないわ」

「え……?」

「もう何もいらないと言ったのよ」

「……ッ!?」


コレットはリリアーヌにそう言ってから二人に背を向けて部屋から出るために歩いていく。


「なっ、何を言ってるの!?今回のことは、わたしからお父様たちに言って許してあげるって言っているじゃないっ」

「おい、コレット……!」

「コレットお姉様を止めてっ!」


リリアーヌはベッドから足を下ろして侍女に向かって叫ぶ。
二人の侍女はコレットを引き止めるように扉の前に立つ。


「……そこを退きなさい」

「で、でも……」

「リリアーヌお嬢様がっ」


いつもと違うコレットの迫力ある様子に侍女たちはたじろいでいるようだ。
リリアーヌと侍女たちが騒ぐ声が聞こえたのだろう。
両親がリリアーヌの部屋の扉の前で声を掛ける。


「リリアーヌ、どうしたんだ!?」

「何があったの?扉を開けてちょうだいっ」


その言葉を聞いたリリアーヌはチャンスとばかりに目から涙を溢しながら口を開いた。


「コレットお姉様がっ、わたしのお願いを聞いてくれないのぉ!わたしはディオン様やミリアクト伯爵家のことも考えて動いているのに……!」
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