かつて女の子だった人たちへ
中学生になり、兄弟校との交流会で弓には好きな男子ができたようだった。わかりやすい弓の気持ちに気づかないふりをして、令美は先にその男子に告白をした。あとからそれを知った弓は驚いた顔をしたけれど、おめでとうと笑っていた。
高校時代には初めてできた彼氏を寝取った。他校の同級生だった彼は、進学塾で出会ったそうだが、令美が誘惑をしたらあっという間に落ちた。当然だ。令美は自分が可愛いと信じているし、そのための努力はしている。太らないように食事を減らし、母にねだって買ってもらったスキンケアを十代から欠かさない。弓とはもうまったく違う生き物で、その男子が令美に惹かれるのは当然なのだ。
大学に進んだ後も同じことをした。弓の人柄を好んで彼女に近づいた男とは、端から関係を持った。
弓はいくつになっても自分を飾ろうとせず、身だしなみ程度しか身づくろいをしない。ただでさえ地味な顔立ちにメイクすらしない。害がなさそうに振る舞い周囲に人を集め、善良を売りに生きている。
そんな弓が身の丈に合わないものを手に入れようと奮闘するのは、本当に面白い。
過程を眺めて、最後にあっさり取り上げてやると本当にがっかりした顔をする。それを周囲に気取られまいとする姿も滑稽だ。
ブスはブスらしく生きればいい。
所詮、弓は私にはかなわないのだから。……令美はそう考えていた。
高校時代には初めてできた彼氏を寝取った。他校の同級生だった彼は、進学塾で出会ったそうだが、令美が誘惑をしたらあっという間に落ちた。当然だ。令美は自分が可愛いと信じているし、そのための努力はしている。太らないように食事を減らし、母にねだって買ってもらったスキンケアを十代から欠かさない。弓とはもうまったく違う生き物で、その男子が令美に惹かれるのは当然なのだ。
大学に進んだ後も同じことをした。弓の人柄を好んで彼女に近づいた男とは、端から関係を持った。
弓はいくつになっても自分を飾ろうとせず、身だしなみ程度しか身づくろいをしない。ただでさえ地味な顔立ちにメイクすらしない。害がなさそうに振る舞い周囲に人を集め、善良を売りに生きている。
そんな弓が身の丈に合わないものを手に入れようと奮闘するのは、本当に面白い。
過程を眺めて、最後にあっさり取り上げてやると本当にがっかりした顔をする。それを周囲に気取られまいとする姿も滑稽だ。
ブスはブスらしく生きればいい。
所詮、弓は私にはかなわないのだから。……令美はそう考えていた。