かつて女の子だった人たちへ
【メリーさん、元気ですか
お仕事忙しいのかな
それなのにDMしちゃってごめんなさい】

「いいよ! そんなの! DM嬉しいよ!」

芽里はスマホを両手で包み、画面に向かって返事をしていた。涙がにじんでいた。

【よければ、またライブに来てね。
メリーさんに会えないの、俺がちょっと寂しくて
こんなこと言ったらウザがられるかなって思うけど
俺はメリーさんの前でなら最高のパフォーマンスができる
待っててもいいかな】

涙は雫になって幾筋も頬をつたっていた。レイキが芽里を頼りにしているのが伝わってくる。
きっとレイキは今、新しい場所で必死に踏ん張っているのだ。負けないように、もっと輝けるように。

「応援しに行かなきゃ。レイキが待ってる」

いや、何より直接顔が見たいのは芽里の方だった。

(レイキに会いたい)

どうしたらいいだろう。
少なくともこうしてベッドに脱力している場合ではない。
恐怖や不安感で虚脱状態だった芽里の心に火がともった。レイキに会いたいという気持ちが、アンチへの恐怖を超えさせる。
がばりと身体を起こし、すぐにレイキに返信をした。

【なかなか行けなくてごめんね。今日はライブに行けそうだよ。
レイキの格好いいステージ、楽しみにしてるから】

それからスマホでチケットを取った。今夜の公演は空いていた。整理券番号は遅いが、その方がかえっていいだろう。
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