かつて女の子だった人たちへ
時間はまだある。急いで家を出て、駅前アーケードにある若者向けのショップで、量産型女子といった雰囲気のワンピースをカードで買った。
くすんだピンクのレースの花柄。フリルがついていてロング丈だ。ミニ丈を着るのはさすがにやめた。
いつもひとつ結びの髪は毛先が跳ねるくせ毛だ。ウィッグを通販する時間もないので、ウェーブ用のムースとハードタイプのヘアスプレーを買って帰り、何年も使っていなかったヘアアイロンで一生懸命ウェーブヘアを作った。
普段髪の毛をかまいつけない芽里の作業なので仕上がりはイマイチだったが、前回と印象は大きく違う。
化粧にも時間をかけた。メイク動画を見ながら、今はやりの顔立ちを目指す。コスメのほとんどはプチプラで無難な色味しかなかったが、動画の通りにやるとそれなりに見えた。
少なくとも普段の芽里ではない。

(炎上した女だってバレないかもしれない)

これで参戦しよう。レイキに会うのだ。

「レイキ、会いに行くからね」

レイキには応援が必要。そして、芽里にはレイキの輝きが必要なのだ。

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