不滅のユースティティア。
月になんか、だれが返すものか
「魔力解放」
金色の髪が絹糸のように踊る。
ターコイズブルーのピアスが揺れる。
目を開けられないほど、まぶしい光が飛び出す。
地面に書かれた魔法陣の上、ルス先輩は自分の魔力を解放し、私にはとうてい覚えられない魔法式と魔法呪をいくつか唱えた。
「魔力展開。…さあ、おいで江架」
と、言われましても……。
展開された特殊な魔法、ふたりの魔力を合わせてしか創ることのできない複雑であり大きな魔法陣をもうひとつ完成させる。
それが聖アヴィス魔法学校の卒業課題。
「うあ……っ!」
お前にはまだ早いんだよばかやろう───と言われたみたいだった。
おなじ場所に立つ前に弾き返された身体。
私の魔力が開花されたあとはいよいよ本題に突入だった。
聖アヴィス魔法学校の生徒としての課題のための特訓。
やっと私もこのラインに立てはしたが、そこでも初歩的な問題を食らうハメが待っていた。