ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
借金
「やった、これでカズに会いにいける!」
それから数日間、日奈子は会社と橋を往復するような生活を続けて5万円ほどの現金を手にしていた。

立ちんぼをしていても全く声をかけられない時が多いけれど、粘ってよかった。
「小平さん。今日は機嫌よさそうじゃない。彼氏とうまく行ってるの?」

お金ができたためお店へ行こうと決めた日、仕事中に先輩がこっそり声をかけてきた。
先輩は日奈子の結婚の話をしっかりと秘密にしてくれている。

「ま、まぁ、そうですかね」
日奈子は頬を赤らめて曖昧に頷く。

カズに会うのは先月ふりだから、楽しみで仕方ない。
仕事中もずっとカズのことを考えてしまって、仕事がほとんど手につかないでいた。

だけどそれを攻めることなく見守ってくれている先輩には感謝しないといけない。
「いいわねぇ。今日は早めに上がらせてもらって、彼氏に会いに行ったらどう?」

「い、いいんですか!?」
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