ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
やつれていく自分
由利みたいに自分の推しと結婚して家庭を作るのはごくまれなケースであるとわかっている。
わかっているけれど、身近な人がそうして成功しているのを見ると、どうしても期待せすにはいられなかった。

日奈子はそれから毎日のように橋の上で立ちんぼをするようになった。
クリスマスイベントに参加するためにはお金がいる。

由利が言っていたように自分を着飾るためにもお金がいる。
昼の仕事だけでは全然たりないことはすでにわかっていた。

少しでもお金を稼いでためておく必要がある。
今夜の冷え込みは一段と激しくて他の立ちんぼたちの数は少なかった。

これならお客さんがついてくれるかもしれない。
そう期待して待つ。

案の定立ち始めて10分ほどで1人の男が日奈子に声をかけてきた。
「いくら?」
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