ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
今部長の声を聞きたい気分ではなかったけれど、日奈子は渋々折返しの電話をいれた。
部長は日奈子からの電話を待っていたかのように、すぐに出た。

『小平くん。今日はどうしたんだい?』
一応心配してくれていたのか、その声は優しくて少しだけ安心した。

「すみません。実は昨日の夜から体調が悪くて、今まで起きれませんでした」
早口に説明をすると、部長は納得したようで今日の休みを許可してくれた。

これで今日1日はなにも考えずに過ごすことができる。
それだけで救われた気持ちだった。

今の日奈子には仕事をすることも家事をすることもとても難しい。
部長に電話している最中にも、毛布の上に横になってしまった。

一歩も動きたくない。
そんな気分だ。

『もしかして、昨日もいたのかい?』
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