ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
クビになる
日奈子が次に目を覚ましたのは部屋からスマホの音が聞こえてきていたからだった。
どうにか上半身を起こしてトイレから出ようとするのだけれど、狭い中無理な体勢で横になっていたから、なかなか起き上がることもできない。

そうこうしている間に着信音が切れてしまった。
今、何時だろう。

トイレの中でどうにか座り込むことができな日奈子はぼんやりと考える。
昨日のことを思い出すと最低な気分になるし、今日はもう仕事を休んでしまおうと決めると少しだけ気分が上向きになる。

力を込めて立ち上がり、トイレから出るとテーブルの上のスマホを手にとった。
時間を確認するとすでに昼近くになっていることに気がついて大きくため息をついた。

着信はもちろん会社からのものだった。
しかも部長からの電話だ。

日奈子は重たい気持ちになり、また吐き気を感じたけれどそれをどうにか押し込めた。
無断欠勤はかろうじて今まで1度もしてこなかったことだ。

それが、ついにしてしまった。
部長もそうとう怒っているか、心配していることだろう。
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