ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
嬢への道のり
その日は久しぶりにグッスリ眠って夢も見なかった。
泥のように重たかった体はだんだん軽くなり、次第に疲れが取れていく。

それでもまだ寝たり無くて心地よい睡眠を続けていたときのことだった。
ピンポーン。

と、日奈子を現実へと引き戻す玄関チャイムの音が聞こえてきた。
だけどまだ日奈子は固く目を閉じたまま起きない。

ともすれば毛布にくるまれたまま死んでしまったんじゃないかと不安になるくらいに身動きもしない。
かろうじて毛布が膨らんではしぼんでを繰り返しているので、生きているのだということがわかった。

日奈子が部屋から出てこないため再び玄関チャイムが鳴らされた。
日奈子が小さくうめき声をあげて寝返りをうつ。

だけどここ数日間の不眠がようやく解消されたばかりなのでやはり起きない。
玄関先に立つ相手がしびれを切らしたように連続してチャイムを鳴らす。
< 75 / 264 >

この作品をシェア

pagetop