財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す
「まあ、いいじゃないの。金井君も総務の男性だけじゃ無理だから、力持ちでスポーツマンの武田君に頼みたいってさ」
「金井の奴め。まったくもう、わかったよ。うちの若いのも連れて前日の夕方に上の階に行けばいいんだな」
「素晴らしい!さすが武田課長様さま。真紀がベタ惚れするだけのことはあるわね」
私は拍手をしてきびすを返した。すると、彼が声をかけてきた。
「おい、香月。専務理事大丈夫なのか?常務連中が結託してるって噂がこの間……」
私は彼の口に手を当てた。彼はびっくりしているが、しょうがない。
「しーっ!そんなこと口にしたらダメだよ。誰が聞いてるかわかんないんだから。武田君だって課長なんだよ。自分の為にも気をつけて」
「……ああ、お前は相変わらず人のことばっかり心配して、自分は大丈夫なのかよ……真紀に聞いたぞ。お前、秘書課のやつに目を付けられて嫌みを言われてるらしいじゃないか。御曹司がいなくなってからだろ」
「ありがとう。なるようになるよ。何かするなんてできないし、もう諦めた」