財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す

約束~崇side1

 
 半年前のことだ。

 久しぶりに親友三人で会った。俺がもうすぐ海外へ行くというので忙しいのに集まってくれたのだ。

 一人は清家財閥の御曹司。清家玖生。

 こいつは本当に和風男子だ。目元も涼しく、キリリとしている。そして、清家の次期総帥。彼の父は財閥の仕事を退いてしまっていて、若いときから彼の祖父である清家総帥に大切に育てられてきた。

 正直俺よりも早くからすでに財閥の実務をこなしていて、力量に差があるのは自覚している。日本でもこの財閥に一番力があると思われている。それくらい、清家とはすごいところだ。

 もう一人はツインスターホテルの経営者である中田鷹也。

 彼はすでに父親からすべて引き継いでいて、国内最大級のこのホテルチェーンを経営している。こいつは、とても明るくて玖生や俺とは性格的に真逆だ。とにかく社交的。さすがホテルの御曹司と小さい頃から言われていた。

 そして、要領もいい。だから、あそこの取引先はあいつが仲良くなって縁を結んだところが多いのだ。俺は鷹也のご両親とも親しい。鷹也にも姉がいてうちの姉と同い年だったこともあり、うちは姉弟込みで親しいのだ。
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