私の彼は、一途な熱血消防士

接近 2*

 誠司さんはそれを手に取ると、早速明かりを調節する。実家の常夜灯まではいかないけれど、それに近い色まで照明を落としてくれた。

 仄暗いけれど、このくらいの明るさならまだ耐えられる。まじまじと身体を見られることなんて初めてのことだし、きっと背中の打撲は内出血がすごいことになっていそうで、それを見られることで、これ以上心配を掛けたくない。

 照明を落とすと、誠司さんは私の身体を起こして服を脱がせた。その時案の定、衣擦れで私の背中に痛みが走る。
 けれど、それを声に出すのをグッと堪えると、服を脱がせたときに背中を見たのだろう。打撲した個所にそっとてのひらを当てた。

「こんなに内出血して……、痛かったな」

 誠司さんのてのひらのぬくもりに、私の背中のこわばりが解れていく。

「シャワーも浴びて清潔になったけど、多分今からまた汗をかくから、後で湿布を貼ろう」

 そう言って、私にキスをした。
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