私の彼は、一途な熱血消防士
第七章

一難去ってまた一難 1

 日浦くんの件は、名前を聞くだけでトラウマになってしまったため、その後彼がどうなったか知らないけれど、誠司さんが私の代わりに話を全て聞いてくれた。

 誠司さんが私に「もう安心だ」と言うので、その言葉を信じることにした。

 日浦くんの部屋はご両親の言葉通り、七月中に荷物を全て運び出され、無事引き払われた。

 引っ越しの作業は平日、私が勤務中に行われていたようで、アパートに戻ると日浦くんが借りていた部屋のカーテンは取り外されていた。

 これで全て終わったんだ……

 私は自分の部屋に戻ると、安堵で身体の力が抜けてその場にへたり込んだ。


 幼稚園が夏休みに入り、先生方も交代で年次休暇を取得されている。

 私以外の先生は既婚者でお子さんもいらっしゃるから、家族旅行に出かけたり、お盆は旦那さんの実家へ帰省したりと予定が入っているようだ。

 私たちも、お休みの日を合わせて遠出をしたりと、休暇を満喫した。

 誠司さんが非番の日には、私の仕事が終わってから一緒に過ごすことが当たり前のようになっており、時々お泊まりもしてくれる。

 お盆明けに小春と千紘さんから女子会開催の声が掛かり、その時に誠司さんとお付き合いを始めたことを、ようやく報告できた。
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