【黒・中編・画】桜の葉花ひらひら

23

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その時悔しかったが悔しすぎたが、こころの中に一領の風が吹いた。
そして愛する妻を選ぶ事が出来た。
この話を聴いていた感極まり涙する子供絵師とマサキ陰陽師は朗らかな表情をして具体的に『華絵 彼岸花』のオファーの話を聴いてきた。
ボクは自治会会長さんの仮オファーの友人さんの現状を聴いてみた。
何でも盗作が怖くて頭の中だけで、展開してほぼ完成というところで、自治会会長さんの急死に直面して、全て完璧に記憶を喪失したらしい。
ご不幸な事だとボクは想った。
出来れば作品と作品で、勝ち取りたかった。子供絵師はもう『華絵 彼岸花』のせいで、老人が死に晒すのは見たくない。だけど、この絵は命を欲するから番にしなければいけないと内緒の本音をあかしてくれた。
ボクは興味を持ったので、その絵の名前を聴いてみた。そしたら絵師は『華絵 SAKURA』と教えてくれた。
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