アイドルの妹だからってイジメないで
「わっ私、お母さんの娘なんだよね?」
「残念ながらね」
「それなのになんで、私が別の女性に似ているの? お母さんが言うあの女って誰?」
「思い出したくもないから、これ以上は聞かないでちょうだい」
「教えてよ!」
「……」
「ここまで言っておいて黙りこむの? あの女じゃ、誰のことかわからないでしょ!」
「はぁ、しつこいわね。もう全部話すわよ。あなたの父親の愛人だった女のことよ」
「……えっ?」
「私が妊娠中にあの男が浮気をしていることは、気づいていたわ。一時的な火遊びだと思って、私は見逃してあげていたの。それなのにあの男、命がけで出産した私になんて言ったと思う? 虹湖を抱きかかえながら放ったのよ。『目もとも口もとも香苗にそっくりで、これは美人さんになるぞ』って。嬉しそうなニヤけ顔でね」
「香苗って人が、お父さんと付き合ってたっていう証拠はあるの?」
「スマホを覗き見したから間違いないわ。陣痛に2日も耐えて、それでも生まれてこないからお腹を切って。やっと出会えた娘が、愛人に似てるですって?! そんなこと言われて、怒り狂わない人間なんていないでしょ! 本当に許せなかったのよ! 浮気男のことも、私に全く似ていない虹湖のことも!」