アイドルの妹だからってイジメないで
「ストレートの髪まで愛人そっくりなんて、どこまで親不孝な娘なのよ!」
「お母さんやめて、私の髪を引っ張らないで」
「こんな醜い髪、全部私が抜き取ってあげる」
「痛いってば」
「フフフ。痛みで顔をゆがめている娘を見るのって、こんなに快感だったのね」
「手を離してってば!」
「あら? 5歳の虹湖は聞き分けがよかったわよ。私が怒鳴りつけても何度ほほをはたいても泣かないで、一生懸命笑顔を作ってたわよね。虹湖、もう中2でしょ? 成長したところを見せてよ。 一粒も涙を流さずに、お母さん大好きって微笑んでみなさい。そしたらちょっとくらい、頭をなでてあげるから」
……うっ。
……悔しいよ。
中学生になったから、お母さんに歯向かえると思った。
でも、私はお母さんに勝てないんだ。
敗北感が心臓を締めつける。
苦い胃液がこみあげてきたのは、絶望感に打ちのめされてしまった証拠。