憧れの街で凄腕脳外科医の契約妻になりました。
お義父さんはお義母さんを横目に、
「それはそうと、亜矢さん脳の病気があるとかで大丈夫なのかい?」
と、私に質問をした。
「はい、和登さんに手術をしていただけることになりました」
「そうか……赤間さんから難しい手術になると聞いたが……」
「はい……手術時間も結構かかるみたいです」
「結構、とは、どのくらいだい?」
「だいたい五から六時間というふうに説明を受けました」
「…………そうか。いつか亜矢さんともお会いしたいと思っていたが、こういう形で初対面になってしまって申し訳ない」
私に向かって深く頭を下げるお義父さん。謝りたいのは私の方だ。
「いえ、むしろ……こちらの方が……申し訳ありません」
「何でキミが謝るんだい?」
「和登さんが私の祖父と出会ってしまったばっかりに……お義父さんの会社を継げなかったと聞いたので。申し訳ありません」
お義父さんはお義母さんにじろりと目を向けた。お義母さんは慌ててお義父さんから顔を逸らした。