憧れの街で凄腕脳外科医の契約妻になりました。
集中治療室にいた頃はうっすらと目を覚ましたような気がする。そこで「体調は大丈夫か」などを聞かれたこともうっすらと覚えている。
完全に目を覚ましたときには、自分の個室のベッドの上だった。もう人工呼吸器は口から外されていた。
周りには私の両親と和登さんの両親。それに、和登さんもいてくれていた。私が目を覚ましたことに気づいた皆は安心したかのように肩を落とした。
「亜矢ちゃん、よかった」
「亜矢ー、ううっ……」
皆がそれぞれ名前を呼んで私の手を握ってくれている。けれど、和登さんだけはまだ表情が固かった。
「幸い合併症は免れました。脳の手術は後遺症があるかどうかの確認ができて、初めて安心できます。亜矢さんの脳が正常か、質問をしながら今から確認をしていきます」
その場の空気がガラッと一変した。
『私はもう大丈夫』そう言いたいのに、なかなか言葉が出てこない。まだ、上手く頭が回っていない。