【コミカライズ原作】Re:活 前略旦那様 私今から不倫します

『帰ったら、連絡するって言ったまま連絡くれなかったのどうして?」
『事故に遭ってね、生死を彷徨った。そのあともずっとリハビリで好きな子に連絡なんてできる状態じゃなかったな。今となってはもう笑い飛ばすしかないけどね』
『そんな……大丈夫だったんですか』
『見てのとおり、こうして生き延びて普通に暮らしてる』
『生きていてくれてよかった』

 てっきり、沙羅のことなど忘れてしまったのだと思った。
 お互いの気持ちもわからないうちに終わってしまった淡い恋だった。
 もしも辻村が事故に遭わなかったら違う未来があったのだろうかと、不毛な妄想にとらわれる。

 ──なにを馬鹿なことを考えてるんだろう。もう道は分かれたというのに。

 その晩、誠に求められ、これを耐えればまた疑いのなかった頃に戻れるかもしれないという思いがよぎったが、結局受け入れられず具合が悪いと拒否した。
 ペタルアトリエに現れた麗香が、品定めするような目で沙羅を見たことを思い出したのだ。
きっと婚約者がいるというのも、誠の嘘なのだろう。だからと言って、証拠もない。

 ──このまま自分をごまかして一緒に暮らし続けるの?
< 122 / 234 >

この作品をシェア

pagetop