幽霊になったあの日から恋をして
私は海の過去について知った。でも...
「海って、幽霊だったのね。」
「ごめん。一回嘘をつくと、答えを言うのが難しくて...」
「まぁ言ってくれたし良かったわ。」
まぁ今まで言ってくれなかったし。許せないけどね...
「それよりも...神の覚醒について書かれている本があるなんてね..」
「でも神になった後については書いてなかったから、僕が使える知識はは神具についてまでかな...」
「それだけでも助かるわ。」
きっと海がいればひとりじゃ諦めることも諦めないかもしれない。海も一緒の事を思っていたらいいのに...
「...?」
あれ...?なんでそんな事思っているんだろう...?
ど、どうして?
「ん?彩ちゃんどうしたの?」
「い、いえ。なんでもないわ〜」
なんでかしら...私の心が、ドキドキして...
「うーん?彩ちゃん、大丈夫?」
海が下から覗き込む。
「...っ!」
なんで私の心がドキドキするのかは、昔一緒に遊んでくれた、あの人が海だったからだ...
「ねぇ海...」
「なに〜?」
「私達は、昔よく遊んでたわよね。」
「えっ!?そうだけど...思い出したの?」
「う、うん...」
それと一緒に海へのこ、恋心も思い出したけど...
「思い出せて良かったね。」
「うん」
恥ずかしくて顔をそらす。
「なんで顔をそらすの?」
「そ、そらしてない。」
「まぁいいや。それよりどうして思い出したの?」
えっと...
「海が私に、心配してた時私を、下から覗き込んだでしょ?」
「えっと〜そうだったけ〜」
「えぇ。それで、昔こんな風に心配してくれた人いたなぁって思ったから。」
「そんな事で思い出したんだ。」
「そんな事って言わないで。私にとって、唯一私の事を心配してくれる人なの。」
「...っ!」
あらなんだか海の顔が赤いような...
「べ、別に心配するなんて当たり前だよ...」
「そうよね。」
でも...嬉しかったし、ありがとうの気持ちを伝えたいな...
「でも...ありがとう。」
「えっ!だ、だから心配するなんて当たり前だよ...」
二人共が顔を真っ赤にしているところを夕日が照らす。
そして夕日が沈んでゆく。
だけど私達は気づかなかった。
幸せがいつかは消えることに。
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