幽霊になったあの日から恋をして
また希望を持ってしまう...

作戦は始まった

海への思いに気づいてから、三日間。
私達は重大な問題にぶつかっていた。
「神として覚醒するには神具が必要か...」
「どうしましょう...」
「彩ちゃんは家宝に触れればどうなるか分からないか...」
私はダメだけれど...夢華なら...
「うーん...」
ん?唐突に疑問が浮かぶ。
「あなたって、幽霊なのにさわれるのね。」
「え?あぁ」
「それなら、幽霊になっているときと、半分人間になれるときがあるのね?」
「え?うん」
「それじゃあ、海が幽霊になって、私の家に侵入して家宝を取って来たら、いいんじゃないかしら?」
「いいけど、物まで透明にできるか分からないかな...」
「そうね...」
どうしたらいいのかしら...
「うーん...そうだ!彩ちゃん家宝はどこにあるか分かる?」
「えぇ。だいだいある場所は把握しているわ。」
「それじゃあ、僕が幽霊状態でその場所に入って、物を持ってくる、そして彩ちゃんはその場所の前で待っていて、来たらすぐに血を垂らせばいいんじゃないかな!?」
「でも違ったら?」
「...」
「すぐに家宝を見つけられなかったら?」
「で、でも...」
「見つけられたとしても、私の親に見つかったら海も私も、どうなるのか分からないのよ?」
「だとしても...」
「それでもやるのね?」
「う、うん」
海はそう言うと思ってたけど...
でもどうして、海は私に協力してくれるのかしら...
「それじゃあ一つ約束してほしい。」
「え?なに?」
「たとえ家宝が見つかったとき、親に私が見つかってたら、家宝を持って逃げて。」
「え?なんで?」
「一週間くらい学校は休むけど、その後はくるから、そのときに血を垂らせば良いでしょ?」
「えっと...」
海が珍しく困惑している。
「なにかあったかしら?」
「そ、その一週間はどうなるの?」
...。言ったほうがいいわよね...
「私にも分からない...。でも、暴力をされることには変わり無いかな...」
「...。」
「それか捨てられるか、ね...」
自分で言っていても辛くなる。もし見つかって、一週間どうなるか、考えるだけで心が冷えていく...
「彩ちゃん。僕は彩ちゃんが見つかっても、僕は逃げたりしないよ。」
「えっ?」
「僕はいつでも彩ちゃんの味方だからね。」
心が暖かくなって、胸がドキドキする。
どうして海は、私の味方を...してくれるの?そんな事
弱い私は海に聞くことはできなかった。
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