幽霊になったあの日から恋をして

彩ちゃんの心

彩ちゃんが、屋上に来た。
いつも来ないしなんかあったのかな〜
「...彩ちゃんって悩み事とかあるの?」
「えっ!?あ、無いわよ~」
うーんやっぱりおかしい。もう一回聞こうかな?
「え〜ほんとに〜?」
「ホントよ。」
ここまできたし、もう一回、聞こうかな。
「でも、彩ちゃんいつも友達とご飯食べてるのに今日は何故か、屋上来たじゃん。」
「ぐっ...」
「それってなにかあるってことだよね?」
「...っ」
「なんかあったんでしょ?僕であれば力になるよ?」
「そ、の...」
かすれた声で彩ちゃんが、言い始める。
話を聞き終わる。僕ははじめに思ったのが、子供のすることみたいだなと、思った。ただの憎み合いなんて最終的には相手も自分も傷つくだけだと思うし。
それに、親のせいで恨まれ、親のせいで恨まなきゃいけない妹。こんな関係...一方的ないじめみたいなものだ。
「ねぇ...幻滅した?」
「なんで?!するわけないよ!」
「そ、っか。よかっ、た。」
そこまで話をしないもしくは言えない状態だったのかな?
「それよりスッキリした?」
もやもやが少しでも出ていたら嬉しいけど...
「ほんとに少しだけど...あ、あと、嬉しかった。」
「...!」
「ありがとう...」
嬉しいな...それに良かった。
「でも...まだ、終わらない。私、本当は許したくないの。」
「えっ?」
聞き間違い?彩ちゃんがそんな事...
「私はあの二人に謝ってほしい。そしてその行動をやめてほしい。」
「そう...」
「これで済むならマシかもしれないけど、許したくない。」
「あ...うん」
まだ彩ちゃんには、闇がある。
僕の知らない闇。もしかしたら彩ちゃんがすべて吐いてくれるのはもうすぐなのかもしれない。
「だから...その...謝ってもらいたくて、
その...だから謝る作戦手伝ってほしくて...ダメかな?」
彩ちゃんが顔をこてんっと横に傾ける。
「〜っ!」
か、かわいい
「も、もちろん!」
「〜っ!良かったっ」
なんで可愛いって感じてるんだろう...
僕は...
あ~やめよう。それより作戦に集中しないと!
そうして彩ちゃんへの気持ちを抱えながら、彩ちゃん作戦が始まった。
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