衝撃サイダーマン
「檸檬…大丈夫だったか?
大怪我させてゴメンな…」と星夜は檸檬の頭を撫でた。
檸檬はその手を握りしめた。

「ううん。星夜さんの方こそ…」

「事故とはいえ、高速道路に上がらなければこんな事にはならなかったって、後悔してる。ゴメンな」と星夜が頭を下げて謝ると
「事故なんだから、しょうがないよ。
2人とも怪我が治ってリハビリもあると思う……
こんな私だけど星夜さんが嫌じゃあなければ…いつも側にいたい」と星夜を見た檸檬。

星夜は頭をあげて悲しそうな表情で
「でも檸檬…オレこんなだし…」

檸檬はどんな事があっても星夜を支えようと決意していたので、星夜の本心が知りたかった。
「星夜さんはもう私の事嫌いになったの?」

「まさか! でもオレは片足だからさ〜」

「片足になったって星夜さんは星夜さんでしょう!」

「……檸檬、退院して日常生活がどうなるかわからないけど、障害者と一緒だと苦労するんだぞ!」

「じゃあ、星夜さんは私を捨てるって事?」

「……」

「ねぇ星夜さん、
確かに私も複雑骨折が治っても足は少し引きずるらしいの。
星夜さんも片足で不自由だろうけど…
私はこうして生きていただけでありがたいし感謝してるの。
私たちは、これから先も生きて過ごせるんだよ?
体は不自由かもしれないけど、幸せになれない訳じゃないでしょう?」

「……こんなオレでも檸檬は結婚してくれるのか?」

「うん!」と檸檬は泣きながら返事をした。

「檸檬ありがとう。」と星夜も涙を流した。

事故後やっと会えた2人はこうしてお互いの気持ちを確認しあった。
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