衝撃サイダーマン

土曜日の朝8:30にウチへお迎えに来てくれた星夜さん。いつものように運転席から降りて両親に挨拶してくれる。

お父さんとお母さんが見送ってくれて、私が乗り込むと車は発進した。

「家の周りにアイツいた？」

「いいえ、いないと思いますが…」

「なら、このままマンションでも大丈夫かな…
母さんにもアイツの人相を一応伝えておいたぞ。
親父は昨日のうちにバナナ銀行の頭取の友達にも電話したって連絡きてさ、月末じゃあないと辞令でないらしいわ」

「本当に大ごとになった上、社長までも巻き込んでしまい、すみません。」

「檸檬。もう今日からは謝るのナシ！
昨日も言ったけど、みんな檸檬の味方だ。」

「はい…」

「そして今日からオレの婚約者として振る舞う事！
オレも檸檬を婚約者として振る舞うつもりだからな」

「はい。女優になったつもりで頑張ります！」

「オレも俳優になったつもりで頑張るわ」

〜…〜…と星夜さんの携帯が鳴った。

「ハイ。あ、母さんどうした？ああ〜やっぱりかぁ〜　うん。母さんは全然気づかれてないんだろ？
うん。マンションで待ってるわ」ピッ！