衝撃サイダーマン
待ち伏せ
何とか定時で上がった星夜と檸檬。

2人でエレベーターを待っていると星夜さんはメガネを外して「今日は疲れたな」

「はい…通常業務をしてても何かソワソワしちゃって…」

「そうだったんだな。
檸檬、仕事終わったから指輪しろよ」

「はい。」とガサゴソバッグからケースを取り出し婚約指輪を嵌めた。

外の駐車場へ向かい車に乗り込もうと思った時、
「檸檬さん!」と呼ばれて振り向くと畑山さんだった。

「はた…けやまさん…どうして…」と檸檬は恐怖で一歩下がった。
畑山は駐車場へ向かって走ってきて檸檬へ向かって大声で
「檸檬さん!今まで僕が電話してもメールしても完全に無視して、僕という結婚相手がいながら男と車に乗って何処へいくんだ!」と叫んだ。

「畑山さん、私はお見合いの件はお断りさせていただきましたが、叔母から聞いてないですか?」

「それは聞きましたけど…
僕との結婚を断るなんて檸檬さんの考えを聞きたいからマンションで待ってても帰って来ないし、心配で今日は銀行を休んでここで檸檬さんが出てくるのを待ってたんだ! 」

「オイ!畑山さんとかいったかな? 
オレは君のおかげで檸檬と婚約する事になってお礼を言うよ」と星夜さんは畑山さんから私を庇うように前に出た。

「ハァ〜? 檸檬さん、頭は大丈夫?
こんな配送センターの社員と檸檬さんが婚約なんて有り得ない!
俺は一流大を出て銀行員なんだぞ!
収入だってコイツよりあるんだ!
檸檬さんを幸せにするのは僕しかいないんだ!」と畑山さんはまた叫んだ。

帰宅する社員達が足を止めて私達を見ていた。
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