世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~
「あいつはかなりのクズだってわかってたからね。まさか詐欺をするなんて思ってなかったけど、あの時のお前の顔を見るのは愉快だったよ。姉さんにもお前にも、ざまあみろって思った。私は姉さんに散々苦しめられて、もみじはお前に苦しめられた。だから、仕返しがしたかったんだよ」


「ひどい。私、あの時、やっと変われるかもって思えたのに……」


「はぁ? 幸せになんかさせない。変わるなんて許さない。でも……お前はもみじを怒らせたんだ。もうこれっきりだよ! さっさと出ていきな!」


悲しくて切なくて、やり切れない。
おじさんは、おばさんの後ろにいて黙って見てる。私は、こんな人達とずっと一緒に暮らしてきたんだ。そう思うと、急に情けなくなった。


確かにお金の心配は拭えない。だけどもう……これでおしまいにする。もっと早く離れるべきだったのに、色々甘えてしまった自分を心の底から責めたくなった。
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