世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~
「それは……まだ何も……きっと言えないです」


「いつか、好きだって言えたらいいな。智、人を好きになることは、スポーツする上でも悪いことじゃないんだ」


「本当ですか? 僕、ダメなことをしてるのかって悩んでて」


「人を好きになるのは仕方ないことだし、理由なく誰かを好きになることは……ごく普通のことだ」


僕が双葉さんを好きになったように。


「でも、集中できないのはどうすればいいんでしょうか?」


智は、誰よりも真面目だ。
この質問にどう答えればいい?


「先生も……人を好きになったことがあるんだ。その時、レッスンに集中できなかったこともあったし、生活の中でもいつも思い出したりしてた。でも、先生の場合はその人にフラれちゃったけどな」


「そうなんですか?」


「ああ、見事にフラれたよ。それでもさ、ずっと好きな人を想えるって、本当に幸せなことだとわかったから……。まあ、今は、好きな人を思う気持ちを、勝手に自分のエネルギーや喜びに変えてるんだ。あの人も頑張ってるから、僕も頑張ろうって。僕が元気でいれば、あの人も嬉しいだろうなって」


僕のこと、今も応援してくれてるかな?
僕は、勝手にそう信じて頑張ってますよ、双葉さん。
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