強面騎士団長に離婚を申し出たら、私を離したくないってソレ本当ですか!? ~転生聖女は推しをヒロインルートに戻したい~
殿下は抜き身の剣を構えることすらできぬまま、魔獣に背中を向けてこちらに駆け戻ろうとする。しかし無情にもその姿は、一瞬のうちに魔獣のまき散らす濃い瘴気に包み込まれて見えなくなってしまう。
目にした瞬間、考えるより先に体が動いていた。殿下のところまで、僅か数メートル。数歩で到達できる距離だった。
フランソワ殿下は、王位継承権第一位の尊い身の上。加えて彼は、私の婚約者でもある。放ってはおけなかった。
『聖女様なにを!? なりませんっ!!』
こういうのを火事場の馬鹿力というのだろうか。私は止めようとするレックスさんの手を振り切って駆け出していた。
霧散する瘴気それ自体が人体を蝕むことはないが、靄のように漂うそれは騎士たちの視界を妨げ、攻撃の手を止めさせる。騎士たちは万が一にもフランソワ殿下の身を損ねるわけにはいかないと、弓や長剣での攻撃を断念せざるを得なかったのだ。
ならば、接近戦で討つしか手はなかった。
『フェリシア!? なにをしている! 止まれ!!』
目にした瞬間、考えるより先に体が動いていた。殿下のところまで、僅か数メートル。数歩で到達できる距離だった。
フランソワ殿下は、王位継承権第一位の尊い身の上。加えて彼は、私の婚約者でもある。放ってはおけなかった。
『聖女様なにを!? なりませんっ!!』
こういうのを火事場の馬鹿力というのだろうか。私は止めようとするレックスさんの手を振り切って駆け出していた。
霧散する瘴気それ自体が人体を蝕むことはないが、靄のように漂うそれは騎士たちの視界を妨げ、攻撃の手を止めさせる。騎士たちは万が一にもフランソワ殿下の身を損ねるわけにはいかないと、弓や長剣での攻撃を断念せざるを得なかったのだ。
ならば、接近戦で討つしか手はなかった。
『フェリシア!? なにをしている! 止まれ!!』