年上幼馴染の一途な執着愛
「夕姫、入ってもいい?」

「も、もうちょっと待って!」


数十分後。
私は先にお風呂に入り、慌てて全身を洗い腕に残っていたボディーソープを流してからドアに背を向けて湯船に入った。


「いいよ……」

「ん」


白濁したお湯の中に、顎まで身体を沈める。
後ろから日向が入ってくる音がして、さらに緊張を高めた。


「夕姫?」

「……」

「ははっ、緊張してんの?」

「当たり前でしょっ……」

「わかったわかった。急いで頭洗うから、ちょっと待ってて」


そんなつもりじゃないのに、日向は私の頭を撫でてからシャワーのお湯を出して頭を洗い始めた。
ちらりと後ろを振り返りその姿を見ると、


「ん? どうした? 気になる?」


不覚にもシャンプーしている日向と目が合ってしまい慌てて逸らす。

恥ずかしがる様子もなく、その程よく引き締まった身体を惜しげもなく曝け出す日向にこちらが恥ずかしくてたまらない。
日向とそういうことはもう何度もしているのに、一緒にお風呂だなんて初めてだから自分でも思っている以上に心臓がうるさい。

振り返るんじゃなかった。
余計に緊張が増してしまった気がする。

悶々としていると、


「夕姫? どうした?」


という声と共に、隣に日向が入ってきてびくりとした。
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