年上幼馴染の一途な執着愛
「日向くんは最近どうなの?お仕事順調?」

「んー、まぁぼちぼちって感じです」

「配属先が関西って聞いた時は驚いちゃったけど、日向くんかっこいいし要領いいからモテモテでしょうね」

「いや、それが全然。仕事しかしてません」


日向は高校を卒業後上京。都内の大学を卒業した後は大手企業に就職。そして関西支社に配属された。


「そういえば入社してから転勤の話聞かないけど、もしかしてそろそろなんじゃない?」

「あぁ、もしかしたらーみたいな話はされてます」

「そう。知らない土地に行くのも大変よね」

「でも楽しいですよ。美味いもの探したりとか。まぁ知り合いがいればなおのこと楽しいでしょうけど」

「そうよね。どうせならこっちの近くかユウちゃんのいる都内かのどっちかがいいわね」

「ははっ、ですね」


お母さんと日向のそんな会話を聞きながら、私はそろそろお汁粉の用意をしようと立ち上がる。


「星夜はどうなの?」


お母さんがお兄ちゃんに話を振っている間にお鍋を温めて、今度こそこぼさないように気を付けながらお椀にお汁粉をいれていく。

五人分トレイに乗せて持っていくと、話はお兄ちゃんの彼女さんについてになっているようだった。


「そろそろ付き合って長いんじゃない?結婚とかは考えてるの?」

「まぁ、近いうちにね。考えてはいるよ」

「あんまり待たせすぎちゃダメよ?」

「わかってるって」


お兄ちゃんは学生時代に付き合っていた彼女さんと一度別れてしまったものの、社会人になってからよりを戻した。

それからもう何年も付き合っていて、同棲もしているからそろそろ結婚の話が出ていてもおかしくないなと私も思っていたところだ。
確かに両家に顔合わせは終わっていて、あとはもう籍を入れて式を挙げるだけなんだと聞いた。
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