年上幼馴染の一途な執着愛
「お兄ちゃんは何お願いするの?」

「あー……まだ決めてない」

「え? もう後三組くらいで私たちの番だけど!?」


まだ決まっていないと言うお兄ちゃんに驚くけれど、その表情を見るに、多分考えるのが面倒なんだろうなと思ってしまう。


「まぁ適当に願っとくよ。そういうユウは? 何願うんだよ」

「……私はもう決まってるけど、お兄ちゃんには教えてあげない」

「んだよそれ、じゃあ誰になら教えるんだよ」

「さぁ誰でしょう?」

「くっそ腹立つ言い方だな」

「ははっ」


子どもみたいに騒ぐお兄ちゃんをからかって遊んでいると、反対側から日向が小さく笑う。


「二人とも、そろそろ順番だから賽銭用意しとけよ」

「はーい」

「日向は何お願いすんの?」

「俺? 俺は……決めてるけど、星夜には教えてやんね」

「お前もか! 腹立つ!」


ニヤッとした日向も加わり二人でお兄ちゃんをいじり倒しながらわいわいやっているうちに順番が来て、お賽銭を入れてからお参りした。


"今年こそ、幸せになれますように"

"家族が元気に健康に過ごせますように"

"お兄ちゃんが彼女さんと無事に結婚できますように"


そんな、ありきたりなことを願いつつも。


"日向と、これからもずっと仲良くやっていけますように"


そんなことも願った。

お参りを終えるとおみくじを引きに行った。
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