年上幼馴染の一途な執着愛

寝起き

*****

目が覚めた時、顔がパリパリに乾燥してる気がして、メイクを落とし忘れたことに気がついた。


「っ……んん」


伸びをして、目を擦ると手が茶色に染まった。


「やば……」


なんだか頭もガンガンする。

そういえば、ここは……?

見慣れない天井をしばらく見つめた後、全てを思い出してバッと身体を起こした。
勢いが良かったため、くらりと眩暈がする。
隣には誰もおらず、窓からは優しい陽の光が差し込んできていた。


「日向……?」


何も身につけていない自分の姿と乱れたシーツが、昨夜の情事がどれだけ激しかったのかを物語っていた。
枕に思い切り顔を押し付けたからだろう、メイクが付いてしまっているのが申し訳ない。
それにしても日向の姿が見えないけれど、一体どこに。
とりあえず顔を洗いたい。
落ちた下着を身につけて服を着て、立ち上がる。


「日向……?」


寝室の扉を上げてそう呼びかけてみると、リビングの方からテレビの音が聞こえる。
同時にいい香りが漂ってきていて、ぐぅ、とお腹が鳴った。
その香りに誘われるように歩いていくと、


「あ、起きた? はよ」


日向がキッチンに立って何やら料理をしていたらしく、私を見つけて柔らかく微笑む。
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