年上幼馴染の一途な執着愛
「おいそこのお前! もしかしてセーヤの妹か?」


突然私に向かって叫んできたその男の子は、ぱっちり二重の大きな目と汗ばんで額に張り付いた前髪が印象的な人。
お兄ちゃんの交友関係は大体知っていたけれど、その人は見たことがない人だった。
だけど、お兄ちゃんの名前を知っているから友達なんだろうということはわかった。


「俺ヒナタって言うんだけど、お前セーヤしらねぇ? これから出かけるんだけど遅いから迎えに来たんだ」


その人が、日向だった。


「……おにーちゃんなら、トイレいってるよ」

「あ? トイレ? まじかよ。ハライタか?」


失礼なことを言いながらイライラした様子でお兄ちゃんを待っていた日向は、私がその場から全く動かないのを見て睨んできた。


「おい妹、どっか行くならとっとと行けよ。そこ邪魔だから」

「……」

「聞こえなかったのか? クソガキが。てめぇと遊ぶわけじゃねぇんだ、あっち行けよ!」


私が何も喋らないのをいいことに、日向は私を馬鹿にしたように暴言を吐き続けていて。
自分より身体が大きい相手。しかもお兄ちゃんの友達の男の子。
正直かなり怖かった。
だけど、


「このクソチビが! 早くどっか行けよ!」


しびれをきらした日向にそう怒鳴られた瞬間、ぷちんと何かが切れたような気がして。
次の瞬間、


「わたしはクソガキじゃないしクソチビでもない! ユーヒだよ!」


そう、叫び返していた。
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