可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~

 ウルカヌスが人差し指を空に突き上げ、花火を打ち上げる。

 紫色の朝空に、音もなく黄金の火花が花開いた。ウルカヌスだからできる精霊の技だ。

 ファクト子爵家の人々は眩しそうに空を見上げた。ひまわりのような花火に、自然と祝福の拍手がおこる。

 ファクト子爵はガックリと肩を落とし、意気阻喪(いきそそう)とした様子でルシアを見た。

「ルシアぁ……。せっかく、親子水入らずで暮らせると思ったのに……」

 ぼやくファクト子爵を執事はほほ笑みいさめる。

「お嬢様は充分旦那様の尻拭いをいたしましたよ。これからはお嬢様の幸せを優先して差し上げては?」

 執事に言われて、ファクト子爵は半泣きで笑った。
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