可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「なんだ。ただの商人じゃない。そうよね、ルシアですものね。びっくりしちゃったわ」
ローサは呟くと、睨むような目をカイルに向けた。
「平民のくせに子爵の娘に婚約を申し込むなんて! シグラ王国の野蛮人は盗人(ぬすっと)猛々(たけだけ)しいわね?」
ローサは嘲り笑った。
「話にならないわ! 帰ってちょうだい!! さあ、この無礼な平民をつまみ出して!!」
ローサが怒鳴ると、カイルは呆れたようにため息をついた。
「では、日を改めてまいります。ルシア嬢」
「こちらこそ、母が無礼でごめんなさい」
ルシアはカイルに謝った。
「気にしないで。僕も準備不足だと思ってるから」
カイルはルシアに微笑みかけると、馬車に乗り屋敷を出ていった。