可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「ということで、僕がルシア嬢に婚約を申し出ました」
カイルが怖ろしいほど美しい笑顔で微笑み、ローサは怯んだ。
「な! なんですって!? あなた様のような立派な方が、こんなルシアなんかに!?」
慌てるローサを見てルシアは肩をすくめた。
(お継母様は貴族年鑑を記憶しきれていないから、カイルがこの国の貴族だと勘違いしてるわね。きっと、カイルが隣国の商人だとわかったら手のひらを返すに違いないわ)
「と……ところで、あなた様は……ど、どなたでしょう?」
ローサはカイルに尋ねる。
「僕は、カイル・シエケラと申します。家門はシグラ王国で商人をやっております」
カイルの自己紹介を聞いて、ローサはホッとしたように力を抜いて、次にプッと噴き出した。